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和楽器に関する記念日にはどんなものがあるのでしょうか。
箏をやっている筆者にとって、6月6日の「邦楽の日」はよく耳にするのですが、それも含め、他にも和楽器に関する記念日があるのかどうかを調べてみました。
3月4日「三線の日」
正式には「ゆかる日 まさる日 さんしんの日」。1993年に琉球放送の提唱で定められました。3月4日は「さんしん」の語呂合わせから。
毎年、この日に合わせて県内をはじめあちこちで三線が演奏されていたり、三線を扱うお店でセールが行われていたりします。
引用元:琉球放送 – さんしんの日
3月8日「三板の日」
三板(さんば)は、3つの板から成る沖縄の打楽器。指と指の間に挟んで鳴らします。
沖縄三板協会が制定した「三板の日」は、「3(さん)8(ば)」の語呂合わせに由来します。
この日にあわせて、講習会、ライブ、コンテストといったイベントが行われています。
引用元:沖縄三板協会 – さんばの日
4月3日「三味線の日」
全国邦楽器組合連合会が「三味線の日」を提唱しています。
「4(しゃ)3(み)せん」の語呂合わせから。
5月10日「箏の日」
三味線の日と合わせて、全国邦楽器組合連合会が「箏の日」を提唱しています。
「5(こ)10(と)」の語呂合わせから。
6月6日「邦楽の日」
箏、三味線、尺八などで奏でる音楽を「邦楽」といいます。「邦楽の日」は、東京邦楽器商組合(現在の東京邦楽器商工業協同組合)によって定められました。
「芸事は6歳の6月6日から始めると上達する」という昔からの慣わしがあります。これに由来しており、多くの人に三味線などを学んでほしい、という思いが込められていると言われています。
芸事ということで、邦楽の他にも、6月6日は「楽器の日」「いけばなの日」も定められています。
7月10日「指笛の日」
楽器 …に入るかどうかは判断が分かれるところかもしれませんが、「指笛の日」があります。
指笛といえば、エイサーやカチャーシーなど沖縄の音楽には欠かせませんね。
「指笛を吹く際に人さし指や小指を7の字に曲げ、10本の指を使って様々な音を出す」ことから、愛好家グループ「指笛王国おきなわ」によって7月10日に制定されました。
9月9日「大正琴の日」
大正琴が発売された1912年(大正元年)9月9日にちなみ、公益社団法人 大正琴協会が、毎年9月9日を「大正琴の日」と定めています。
※ロゴマークは上記法人の利用規約に従って利用しています。
9月10日「箏の日」
箏は箏でも琉球箏、「箏」と書いて沖縄の言葉で「くとぅ」と読みます。
琉球新報社と興陽会が2001年に定めたのが「箏(くとぅ)の日」です。「9(く)10(とぅ)」の語呂合わせより。
コロナ禍を除き、毎年記念行事が開催されています。
2023年9月10日には、「第20回 箏の日 箏美らさ御万人と」が那覇市の琉球新報ホールで開催され、琉球古典箏曲などが披露されました。
10月8日「世界尺八デー/尺八の日」
オンラインで尺八世界大会が開催されるなど、毎年盛り上がりを見せています。日本時間の午前・午後10時8分から、世界一斉に108回のロ吹きをするなど面白い企画もされています。「10(しゃく)8(はち)」の語呂合わせより。
10月10日「和太鼓の日」
和太鼓に関する情報を発信するウェブサイト「Kuniの太鼓」の運営などを行うKuni氏によって、「和太鼓の日」が2003年に制定されました。
なぜ10月10日かと言うと、「ドンドン」という和太鼓の音の語呂合わせからだそうです。
記念日ってどうやって作るの?
ふとした疑問。新しい記念日を作るにはどうしたらよいのでしょうか?
「自分で宣言してしまう!」
というのが、一つの答えです。単純ですね。
自分で「この日は○○の日です!」と言ってしまえばそれで完了。何の効力も発生しませんが、特に他所から承認されなくても、この日にあわせて目的に沿ったイベントなどをやっていけば良いのです。
もう一つは、「一般社団法人 日本記念日協会」に申請して登録する、という方法があります。
記念日の名称・日付・由来・目的・活動などの必要事項を記入し申請、その後審査を受けて承認されれば、正式に登録されます。
ただし、記念日登録料として1件あたり15万円を支払う必要があります(2023年9月現在の情報)。
ちなみに、本記事で紹介した和楽器の記念日の中で、「和太鼓の日」のみ、日本記念日協会に登録されています。
さいごに
様々な和楽器に関する記念日をご紹介してきましたが、特に琉球音楽系で、その日に合わせたイベントなどが活発に行われている印象でした。放送局や新聞社などのメディアが主体になっているとやはり強いですね。
邦楽系のほうは尺八以外に大きなイベントは何もないのか…というと、ちょうどタイムリーな企画があります。
一般社団法人 和軸が主催する「Wagic和楽器カンファレンス2」では、6月6日「邦楽の日」を発展させるような形で、和楽器ファンが盛り上がれるような週間イベントを作るためのディスカッションが行われます。
関心がある方は、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。