日本の伝統楽器ラインナップー習い始めるならどの和楽器?

日本の伝統楽器ラインナップ邦楽コラム

6月6日の邦楽の日にちなみ、今回は和楽器の主な種類をまとめました。もしあなたが習い始めるならどの楽器がお好みでしょうか。

日本には多種多様な楽器が伝えられていますが、ここでは代表的なものを取り上げます。
また、日本では古くからその奏法によって楽器を分類する習慣がありました。弾きもの、吹きもの・・・という具合です。ですので、今回はその項目に分けて整理します。

なお、楽器のイラストは「私家版楽器事典」さんよりお借りしました。こちらのサイトには日本だけでなく世界の楽器のイラストが掲載されています。
https://saisaibatake.ame-zaiku.com/gakki/

弾きもの

長い胴に張られた13本の弦を義爪で自在に弾奏する箏は、学校で体験した人も増えてきて、今や日本人にとって最も身近な和楽器と言えそうです。雅楽でも使われますが、江戸時代に始まった近世箏曲は数百年かけて飛躍的に発展し、現代曲も多数作曲されています。箏

三味線

日本の伝統楽器といえば三味線を連想する人も多いでしょう。ですが、意外にも歴史は浅く、8世紀頃までさかのぼれるの楽器も少なくない一方、三味線は16世紀後半に伝わってきました。そして、短期間に普及し、江戸時代は三味線音楽の隆盛期となりました。その結果、三味線は、歌舞伎の長唄、文楽の義太夫節、三曲の地歌、民謡、津軽三味線など、さまざまな種目で現在も幅広く使われています。三味線

琵琶

日本での琵琶の歴史は長く、楽器も多様化しました。奈良時代に始まる雅楽、鎌倉時代に始まる平家琵琶、その後の盲僧琵琶、薩摩琵琶、筑前琵琶があります。それぞれの種目により、楽器の細部に工夫が施され、レパートリーもそれぞれ作られました。特に平家物語を題材にした作品は平家琵琶だけでなく、筑前琵琶や薩摩琵琶でも作曲されており、聞き比べを楽しむこともできます。琵琶

胡弓

胡弓は、三味線を小型化し、弓で弾く楽器です。沖縄にもクーチョ―という似た楽器がありますが、日本本土では唯一の伝統的な擦弦楽器であるとされています。おわら風の盆などの地域芸能の他、三曲、歌舞伎などでも用いられます。胡弓

三線

三線は、沖縄の伝統楽器で、三味線の元になった楽器です。三味線より小型で、撥の代わりに大きな義爪で演奏すること、胴皮に蛇が使われていることなどが特徴です。沖縄では宮廷音楽でも民謡でも使用されてきましたが、現在ではポップスにも使われ、日本本土で耳にする機会も増えています。三線

吹きもの

篠笛

篠笛は、竹製の横笛で、歌舞伎の長唄や民謡、民俗芸能で用いられます。なつかしさを感じさせる優しい音色で、合奏に重宝されます。演奏者は、相手の音の高さに対応するために、あらゆる音高の笛(つまり、長さの異なる笛)を演奏会場に持参するとも言われています。篠笛

竜笛

竜笛(龍笛)は、数種類ある雅楽の笛の一つで、指孔7つの竹製の横笛です。柔らかい音色で広い音域を持ち、雅楽では主旋律を担当します。源義経も吹いていたとか。有名な《越天楽》も竜笛の独奏で始まります。竜笛

篳篥

篳篥も竜笛と同様に雅楽で主旋律を担当する楽器です。竹製の短い縦笛で、プオーッという強い音色が印象的です。その短さ故に音域が狭く、高音や低音がつかえて出ない場合に旋律線を変更しなければならないという難点を内在しています。その代わり、旋律線のぎこちなさを補うためにポルタメントのような優雅な奏法が編み出され、快活で優美な響きを奏でます。篳篥

笙は、なんとも独特な形状の笛で、天から降ってくるような美しい高音を奏でる雅楽の楽器です。単音だけでなく和音で奏することが可能で、また、息を吸っても吐いても音が出る仕組みなので、いったん吹き始めると最後まで和音を鳴らし続けることができます。笙

能管

もともと能に用いられていた横笛で、現在では歌舞伎囃子でも用いられています。吹き口と指孔の間の部分に細い竹筒が差し込まれているため、音程が不安定です。そのため、合奏には向かず、もっぱら独奏楽器として使われます。また、甲高いヒシギという音は能管の特徴的な音であり、能でも歌舞伎でも重要な場面で使われます。能管

尺八

尺八は、現在でこそ楽器として使われますが、もともとは仏教の禅宗の一派で虚無僧(こむそう)が用いる宗教用具でした。座禅の代わりに尺八を吹奏すること(=吹禅)によって修行となるという考え方があったのです。この宗派は明治維新で廃止となり、尺八は正式には宗教楽器ではなくなり、その後は楽器として独奏や合奏で使われる機会が第一となりました。現在では、尺八楽としての独奏や合奏の他に、海外でも人気の和楽器であり、その一方で江戸時代の伝統を守る活動も受け継がれているなど、多様な尺八の世界が広がっています。尺八

打ちもの

小鼓と大鼓

小鼓と大鼓は能の楽器で、のちに歌舞伎でも使われるようになりました。小鼓は肩に載せて、大鼓は膝に載せて素手で打ちます。興味深いのは、皮の湿り気や紐の張り具合を調節することにより、小鼓のほうが柔らかく低い音、大鼓のほうが硬く高い音を出すことです。普通は同形でしたら小型の楽器のほうが高い音を出しますから、常識を超えた楽器と言えそうです。鼓

締太鼓

日本にはさまざまな太鼓がありますが、ここでは能の太鼓をご紹介します。能の太鼓は床に設置した台の上に楽器を固定し、2本の桴で打つ締太鼓で、歌舞伎でも用いられます。明るい音色で、神や天狗など人間ではないものが登場する際に使われます。
なお、太鼓に上記の能管、小鼓、大鼓、能の声のパートである謡(うたい)を加えるとお雛様の五人囃子になります。締太鼓

鞨鼓

雅楽で用いられる楽器で、鼓を寝かせ、左右の面を2本の桴で打ちます。トコトコトコと軽快な音色で、雅楽曲の中では司令塔の役割を担います。面白いことに、雅楽では鞨鼓の奏法を「打つ」とは言わず「掻く」と表現しています。鞨鼓

和太鼓

日本の太鼓の歴史は長く、一口に和太鼓と言っても大小さまざまなものがあります。その中でも、いわゆる「和太鼓」として広く親しまれているのが、集団で巨大な太鼓を打つ組太鼓のパフォーマンスです。これは、御諏訪太鼓を起源として戦後に考案されたスタイルで、現在では国内外に和太鼓団体が作られています。イラストの太鼓は長胴太鼓(宮太鼓)ですが、他にも桶胴太鼓、平太鼓なども組太鼓に使われます。和太鼓

まとめ

日本の伝統楽器としては、神楽笛や一弦琴、二弦琴、大正琴、アイヌのトンコリなどまだまだあります。6月6日は邦楽の日と呼ばれ、稽古始めの日とされてきました。もし気に入った和楽器がありましたら、この機会に始めてみてはいかがでしょうか。