日本舞踊×邦楽囃子 裏の顔がオモテに!?

日本舞踊×邦楽囃子~流派を超えた伝統の革命者たち~レポート

当サイトでイベント投稿されていた、「日本舞踊×邦楽囃子~流派を超えた伝統の革命者たち~」を鑑賞してきましたので、レポートします。

日本舞踊×邦楽囃子~流派を超えた伝統の革命者たち~

「日本舞踊×邦楽囃子~流派を超えた伝統の革命者たち~」
2021年12月10日(金)開演:19:00
阿南市情報文化センター(コスモホール)徳島県阿南市羽ノ浦町中庄上ナカレ 16-3

地方にいると、本格的な公演を観る機会になかなか恵まれません。私自身、公演で男性の素踊りを観たのは2回目でした。
また、普段は影から音楽の演出を担う囃子方の息づかいまで感じられる公演でした。

日本舞踊家集団「弧の会(このかい)」

「孤の会」は第一線で活躍中の男性日本舞踊家たちが流派を越えて集結したユニットで、メンバーは市山流、泉流、猿若流、西川流、花柳流、藤間流、若柳流の8つの流派からの12人。
流派によって踊りの型や特徴が違うと聞きますので、群舞でシンクロする時にもそれぞれ違ったのでしょうか?残念ながら、私の目が未熟なため未確認です。
いつもの派手な着物や化粧はなく、「素顔」、「紋付袴」の正装で踊る「素踊り」です。

日本舞踊

邦楽囃子方集団「若獅子会(わかじしかい)」

「若獅子会」は、日頃、日本舞踊や長唄などの三味線音楽で打楽器や笛を担当する若手邦楽囃子方9人で結成した団体。これからの時代に向けた新しい表現を目指して、流派を越えて集まり、2006年に結成されました。
編成としては、太鼓(たいこ)・大鼓(おおつづみ)・小鼓(こつづみ)・笛(ふえ)を中心に「四拍子(しびょうし)」で構成されています。歌舞伎では、黒御簾の陰で演奏されることが多い邦楽囃子方ですが、今回ばかりは常に顔出しでした。

若獅子会のYouTubeチャンネルは、演目の解説や譜面の解説など、珍しいものがありました。

五人囃子

ミュージカルみたい…

約2時間の公演後の感想です。
全員が紋付袴であるにもかかわらず、歌がなくても、音楽・踊り、また照明の効果により、ストーリーが浮かんできました。扇子ひとつで波や渦を表現したり、傘を持った旅人を演じたりと、古典芸能の面白さを改めて感じられる公演でした。
また、邦楽囃子は普段は派手な主役の後ろや黒御簾に隠れているため、あまり注目できませんでしたが、とても力強く、時に繊細で、音楽に集中することができ、手に汗をかきながら観ていました。
(いつもは主役に夢中でしたので)

また、幕間には出演者が順番に、演目の説明や踊り・楽器についてのコメントをしていただいたので、初心者の私でも演目がより理解でき、楽しく鑑賞できました。
例えば、衣装・かつらをつけ、化粧をしてしまうと、女の人しか演じられないが、紋付袴だと、ガニ股でドタドタ歩くような男性を演じても、くるっと回れば、品のある女性に早変わり。など、面白い話が聞けました。

日本舞踊、邦楽囃子方の見方が随分変わった公演でした。