ひそかに琵琶弾きの聖地と騒がれている、正倉院展。
展示される宝物の中でも、メインに挙げていることもあり、琵琶弾きでなくとも琵琶目当てに行くという方も多いのではないでしょうか。
そもそも正倉院とは
奈良県、東大寺の正倉院宝庫です。
聖武天皇の集めたものが保管されてきました。
歴史の授業でも出てくる、校倉造りの建物です。
8世紀の中頃,奈良時代の天平勝宝八歳(756)6月21日,聖武天皇の七七忌の忌日にあたり,光明皇后は天皇の御冥福を祈念して,御遺愛品など六百数十点と薬物六十種を東大寺の本尊盧舎那仏(大仏)に奉献されました。皇后の奉献は前後五回におよび,その品々は同寺の正倉(現在の正倉院宝庫)に収蔵して,永く保存されることとなりました。これが正倉院宝物の起りです。そして,大仏開眼会をはじめ東大寺の重要な法会に用いられた仏具などの品々や,これより200年ばかり後の平安時代中頃の天暦4年(950)に,東大寺羂索院の倉庫から正倉に移された什器類などが加わり,光明皇后奉献の品々と併せて,厳重に保管されることとなったのです。正倉院宝物は,このようにいくつかの系統より成り立っています。
さあ、お目当ての琵琶は…
今回の琵琶は、「楓蘇芳染螺鈿槽琵琶(かえですおうぞめらでんのそうのびわ)」でした。
漢字ばかりで難しい名前ですが、「蘇芳色(暗い紫)に染めた楓の板を螺鈿で飾りつけた裏板を使った琵琶」ということです。
螺鈿は花や鳥が描かれ、とても美しいです。
この螺鈿にはアワビ貝も使われていることから、日本製である可能性が高いらしいです。
腹板には皮が貼られていて、その皮には象の背中で楽器を演奏する人たちが描かれています。
この時代の日本では象がどんな動物か分かっていたのでしょうか?
他に楽器はあるのかな…
今回のは、尺八と横笛が1本ずつ展示されていました。
この尺八、長さは30センチもないくらいの短いものでしたが、展示名は「尺八」となっていました。
新しいもの?と思えるくらい美品でした。
それくらい保存状態がいいということなんでしょう。
「正倉院はシルクロードの終着点である」
宝物品は、大陸からの舶来品の他に日本で作られたものがたくさん納められています。
当時の舶来品の技術を学び、同等品のように作る芸術文化を向上させたと思われます。
モノだけでなく、技術も運ぶ道であったと実感しました。
また、当時の戸籍も展示されており、こんなものも納めたんだと不思議に思いました。
年貢の収納に重要なものだったのでしょうか。
正倉院展は、毎秋に奈良国立博物館で開催されています。
(2023年は10月28日から11月13日でした)
展示物はもちろんですが、正倉院展のグッズも楽しみのひとつです。
特に琵琶グッズはたくさんあるので、目移りしました。
会期が2週間余りなので、タイミングを合わすのが難しいですが、琵琶弾きの私にとっては、毎年訪れたい展示です。