「譜面が完成した!!!」鬼滅の刃・宇髄天元の譜面は箏の譜面だった!

「譜面が完成した!!!」鬼滅の刃・宇髄天元の譜面は箏の譜面だった!おすすめ紹介

この記事は「ほうがくのわ」より提供を受けています。


 

鬼滅の刃 遊郭編 第10話のあらすじ

2022年2月現在、テレビアニメ「鬼滅の刃 遊郭編」が放送中。
大ヒットした映画「鬼滅の刃 無限列車編」に続く話で、主人公 竈門炭治郎らが、敵である上弦の陸の鬼 堕姫&妓夫太郎と対峙するストーリーが描かれています。

この遊郭編で活躍するのが、宇髄天元(うずいてんげん)。炭治郎らが所属する、鬼を狩る組織である「鬼殺隊」の中で最も位が高い剣士「柱(はしら)」の一人で「音柱」の肩書きを持ちます。

アニメ終盤となる10話では、堕姫&妓夫太郎の攻撃によって絶体絶命の状況となった炭治郎たち。宇髄さんは妓夫太郎によって既に殺され、炭治郎もこのままでは殺られてしまう…… と思った時、宇髄さんが現れて炭治郎を助けます。
そして、こう言い放ちます。

「譜面が完成した!!! 勝ちに行くぞォオ!!!」

宇髄さんはまだ死んでいなかったのです。ここから形勢逆転、相手の攻撃パターンを読み切って猛反撃に出ます。

宇髄さんの「譜面」とは?

先程のセリフの後、宇髄さんの脳内にある「譜面」の音が連なり、それにあわせて妓夫太郎の攻撃を防いでいきます。

原作漫画(吾峠呼世晴 著)の説明を引用すると、
「譜面とは 宇髄天元独自の戦闘計算式である」
「敵の攻撃動作の律動を読み 音に変換する」
と書かれています。

音柱の宇髄さんならではの特殊能力といったところでしょうか。


(原作漫画:鬼滅の刃 第11巻)

箏の譜面で対抗!

その譜面ですが、……なんと箏の譜面なのです。
しかも、箏二重奏。宇髄さんは脳内で箏譜を作り上げていたのですね…!

妓夫太郎の攻撃を避けるシーンでも
「壱!三!七!五!為!巾!」
と1つ1つの攻撃に対して絃名を当てはめて対抗しています。

これは「”壱” の攻撃が来る(ことを読めているぞ!)」という意味なのか、
「攻撃に対して、計算結果”壱”の型で対抗している!」という意味なのかは判断できませんでしたが、
譜面が “戦闘計算式” であるという原作設定から、単に敵の攻撃=譜面の絃名ではなく、後者の方ではないかと予想しています。

箏の譜面の基礎知識

ここで一旦、箏の譜面の読み方について簡単にご紹介しておきます。

箏には13本の絃(糸と呼びます)があり、演奏者から見て遠い方から順番に「一二三四五六七八九十斗(と)為(い)巾(きん)」という名前がついています。
もともと「仁智礼義信文武斐蘭商斗為巾」であったところ、「斗為巾」のみが残ったと言われています。

箏の譜面

上記は箏の譜面のサンプルです(ほうがくのわ出版発行楽譜より)。

左から右へ読んでいく五線譜とは異なり、箏の譜面は縦に読んでいくのが特徴です。
右上から順に、出てきた絃名に従って順番にその絃を弾いていくというものです。
(流派によっては、左から右へ読むタイプの譜面も存在します)

宇髄さんの譜面は演奏できるか!?

では、また宇髄さんの譜面に話を戻しましょう。

宇髄さんの譜面を使って演奏すると、一体どんな音楽になるのか?
とても気になるところだと思います。

ということで、宇髄さんの脳内にある譜面の中の一節を引用して整形してみました。

宇髄天元の戦闘計算式より

※一部読み取れなかった部分を想像で補記している箇所がございます
※引用元:テレビアニメ「鬼滅の刃 遊郭編」第10話 映像内

箏奏者であれば、この譜面を見れば演奏できるか!?
…というと…… 残念ながら、演奏はできません…。

演奏するためには、この絃の並び(音階・リズム)の他に「テンポ」「調絃」の情報が必要になります。

「テンポ」は、演奏の速度です。どの音楽にも必要なものなので想像はしやすいと思います。

「調絃」はいわゆるチューニングで、箏の13本の絃それぞれに音を当てはめていきます。
箏は演奏する曲によって調絃が全く変わります。「柱(じ)」を動かすことによって音の高さを調整するのですが、絃の数が多いので、正直なところ面倒な作業ではあります。しかし、調絃次第では和風な音階も作れますし、西洋音階、琉球音階など、曲に合わせて様々な音階が作れるので、箏のポテンシャルが高い所以である大変面白い仕組みです。

宇髄さんの譜面を想像で奏でてみた!

結論、宇髄さんの譜面の演奏はできません
しかし、せっかくですので、想像上のテンポと調絃で奏でてみたいと思います。

今一度譜面を確認すると、箏の古典音楽的な手法が入っています。
「オ」と書かれている部分は「アトオシ」という手法で、この場合、八の絃を弾いた半拍後に柱の左側を押さえることによって、音を一音上げるということを意味しています。
この部分から、古典的な調絃であると想像しました。

古典的な調絃には、いくつかの型があります。
最もベーシックな「平調子」、平調子からいくつかの絃を半音や一音上げ下げして作る「楽調子」「乃木調子」「雲井調子」「中空調子」……など。

今回は、いろいろな調絃で当てはめてみた結果、自分が一番聴いて心地よいと感じた「乃木調子(壱越)」に決定!
(※「壱越」とは、指定した調子を一の絃〜をドレミの「レ」から始まる音の並びにするものです)

こちらが、宇髄さんの譜面(想像Ver.)の音源です。
※演奏を前提として作られた譜面ではありませんので、あくまで “想像上の楽曲” とご理解ください。

さいごに

宇髄さんの譜面に興味を持たれた方、他の調子ではどんな演奏になるか、試してみてはいかがでしょうか。これ以上にぴったりな調子が見つかるかもしれません。
「鬼滅の刃」は、同じく「遊郭編」では善逸が潜入した遊郭で三味線を弾いていたりと、和楽器好きにとっても面白いシーンが随所にありました。
この作品を通じて、少しでも和楽器音楽のことを知ったり、興味を持ったりする人がいれば嬉しく思います。

参考情報

ほうがくのわ出版では、アニメ「鬼滅の刃」のオープニング曲「紅蓮華」、アニメ映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』主題歌「炎」の和楽器合奏用楽譜を販売しています。
詳細は以下をご覧ください。

以下はほうがくのわが提供する、箏の譜面制作をサポートするアイテムです。譜面を作ってみたい方はこちらもご覧ください。

この記事を書いた人
櫻樹

ほうがくのわ 代表/和楽器音楽プロモーション&企画屋
和楽器音楽好きが集い、相互交流を楽しんだり、情報交換やコラボレーションを実現したりするための場を作りたい!という思いで、2007年に「ほうがくのわ」を立ち上げ活動開始。(続きはメンバーページをご覧ください)

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