暑い夏を吹き飛ばそう!人気の夏祭りをご紹介

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夏のご予定はお決まりでしょうか。猛暑の毎日が続きますが、今年は新型コロナも少し落ち着き、各地で例年通りのお祭りの開催ができるようになりました。今回は、全国で人気の夏祭りをピックアップしてみましょう。ぜひお出掛けの候補に入れてみてください!

夏祭りの人気ランキング

「地球の歩き方」では、次のようなランキングが発表されていました。(情報は2018年のものです。)

1位 東北四大夏祭り(青森県、秋田県、山形県、宮城県)
2位 阿波おどり(徳島県)
3位 おわら風の盆(富山県)
4位 祇園祭(京都府)
5位 よさこい祭り(高知県)

*「地球の歩き方」サイトより
https://www.arukikata.co.jp/web/article/item/1003393/
上位のお祭りは、東北、京都、四国が占めていますね。七夕、燈籠、盆踊りなどを起源とする夏祭りが並びます。どれも有名なお祭りばかりで、こうして書いているだけでもわくわくしてきます。

また、「阪急交通社」のランキングも参照しましたが、多少変動はあるもののほぼ同じ順で、他に、五所川原立佞武多(青森県)、盛岡さんさ踊り(岩手県)、五山送り火(京都府)が入っていました。

*「阪急交通社」サイトより
https://blog.hankyu-travel.com/newsrelease/2023/05/natsumatsuri-2023.php

では、上位の夏祭りについて今年の開催予定日と概要をご紹介します。

2023年の開催情報は「阪急交通社」サイト、概要についてはそれぞれのお祭り公式サイトを参照しました。
Wagicサイトでは開催の予定変更などには対応できませんので、今年の詳しい開催内容は、それぞれのお祭りの最新情報を必ずご確認ください。

東北四大夏祭り

東北四大夏祭りとは、青森ねぶた祭、秋田竿燈(かんとう)まつり、山形花笠まつり、仙台七夕まつりの四つです。

青森ねぶた祭は、巨大なねぶたが夜の街を煌々と照らし、ハネトがねぶたを引いて祭りを盛り上げます。ねぶた囃子は、笛・手振り鉦・太鼓の3種類です。掛け声は「ラッセ」なので、青森ねぶたの資料館の名称は「ワ・ラッセ」となっています。うまいネーミングですね。

ねぶたの記録は今から約300年前の1722年(享保7年)までさかのぼることができ、当時のねぶたは、ろうそくを使った燈籠で乱闘がつきものだったそうです。現代の張り子は電気で明るく照らされ、ハネトのお行儀も良くなっており、雰囲気はだいぶ違いますが、夏祭りの熱狂は昔から続いているということですね。

 

 

 

 

 

 

秋田竿燈まつりは、高さが約12メートルで数十の提灯を付けた巨大な竿を手のひらや額などに乗せるパフォーマンスが見どころです。この竿燈はたわわに実った稲穂に見立てているそうですが、夜空に立ち並ぶ竿燈は豊作で黄金色の水田を見るように豪華な眺めです。

竿燈まつりは江戸時代の1789年(寛政元年)には記録が残っているので、200年以上続いていることになります。囃子は、町中で歩きながら奏でる「流し囃子」と竿を体に乗せる演技中に奏でる「本囃子」の2種類があり、笛と太鼓が使われます。

今年は7月に記録的大雨による被害があり、開催が危ぶまれましたが、市民の皆さまが力を合わせて準備し、予定通り実行されるようです。このお祭りで元気を取り戻してほしいです。

 

 

 

 

 

 

山形花笠まつりは、花飾りのついた笠を手に持ち、揃いの浴衣を身に付けた躍り手が並んで踊る見ごたえ十分のお祭りです。笠に飾られる紅花は山形県の花でもあります。

花笠まつりは、実は戦後に始まった比較的新しいお祭りで、大阪万博での披露から全国的に知られるようになりました。今では山形県だけでなく全国から観光客を集める夏祭りとなっています。

囃子ことばは「ヤッショ、マカショ」という独特なもので、土木作業の掛け声が元になっていると考えられています。花笠音頭の伴奏には三味線、太鼓、鉦、尺八が使われ、たいへんにぎやかです。

 

 

 

 

 

 

仙台七夕まつりは、旧暦の七夕の時期に行われ、数千本の竹飾りが商店街のアーケードにところ狭しと吊り下げられます。江戸時代の初めに、伊達政宗は七夕に関する和歌を詠んでおり、この頃から七夕が祝われていたことが分かります。ただし、当初は飾りは一晩だけで、翌日には川に流していたようです。明治維新以降、一時衰退しますが、昭和に入り、商店街を挙げて飾り付けを競うようになり、現在の形式が始まりました。

七夕まつりに囃子はありませんが、仙台出身の音楽家による公式ソングがあります。また、お祭りの関連イベントとして七夕飾りコンテストや花火、演武ショーなどのイベントが企画されています。

 

 

 

 

 

 

2023年の開催時期は次のように予定されています。
青森ねぶた祭:2023年8月2日(水)~8月7日(月)
秋田竿燈まつり:2023年8月3日(木)~8月6日(日)
山形花笠まつり:2023年8月5日(土)~ 8月7日(月)
仙台七夕まつり:2023年8月6日(日)~8月8日(火)

どのお祭りもほぼ同時期に行われているので、旅行でくるっと回れそうですね。ちょっと贅沢な夏の旅行になりそうです。

阿波おどり

阿波おどりは、400年以上続く歴史を持つ大規模な盆踊りです。男女の踊りに違いがあり、勇ましい男踊りと優雅に踊る女踊りがありますが、どちらも腰を落として右手右足、左手左足を同時に出して進みます。

男性は手拭いを巻き、女性は編み笠をかぶるという違いもあります。三味線や太鼓の伴奏に乗り、「連」という集団で踊りを競います。掛け声はいろいろありますが、「ア、ヤットサー ア、ヤットヤットー」というのが定番です。鳴り物には、鉦、太鼓、笛、三味線が使われ、鼓が使われることもあります。

現在では、東京都の高円寺や埼玉県の南越谷など全国で阿波おどりが開催されていますが、徳島市の阿波おどりは、参加連が1000組を超え、踊り子が10万人、人出は130万人になるという、四国随一の規模になっています。

2023年の開催期間は、2023年8月12日(土)~8月15日(火)が予定されています。

おわら風の盆

富山市八尾町の表通りを、編み笠をかぶった男女がおわら節に合わせて踊り歩きます。

地方(踊りの伴奏)には、歌を歌う「唄い手」、掛け声をかける「囃子」、楽器の三味線、太鼓、胡弓があります。胡弓が使われることは全国的にも珍しく、物悲しい胡弓の音色が響く独特の雰囲気のお祭りです。

おわら風の盆は、盆踊りが起源のように感じますが、実際は、初めに民謡があり、楽器が入り、最後に踊りが加わったそうです。踊りが加わったのは明治末年のことで、その後、歌や伴奏が改良され、現在の形になりました。古い形式の豊年踊り、日本舞踊家によって振り付けられた男踊りと女踊りがあります。

2023年の開催期間は、2023年9月1日(金)~9月3日(日)が予定されています。

祇園祭

祇園祭は、京都の八坂神社の祭礼で、その起源は平安時代までさかのぼります。869年(貞観5年)の御霊会が起源とされ、2019年には1150周年が祝われました。御霊会は、疫病の流行を防ぎ、無病息災を願う行事です。

山鉾でそれぞれ演奏される音楽は「祇園囃子」と呼ばれ、鉦、笛、太鼓から成ります。特に鉦の音が特徴的で、その音色の「コンチキチン」は祇園祭の愛称にもなっています。

現在では、お祭りは1カ月に渡って開催され、この期間に山鉾巡行や花傘巡行などさまざまな行事が行われます。特にハイライトである山鉾行事は、動く美術館とも称される見事な織物(懸装品)と人形(御神体)が飾られた巨大な鉾が見どころで、ユネスコ無形文化遺産に登録されています。

2023年の開催期間:2023年7月1日(土)~7月31日(月)

よさこい祭り

よさこい祭りでは、高知県の民謡である「よさこい節」に鳴子を使った踊りを加えてアレンジされた「よさこい鳴子踊唄」を歌い踊ります。これは、1950年代に高知商工会議所が主導して始まりました。鳴子を鳴らしながら踊り、チームごとに技を競います。鳴子は必須ですが、三味線、太鼓、場合によっては笛や胡弓も加わります。

よさこい祭りは、土佐のカーニバルとも呼ばれ、「鳴子を鳴らして前進する」というスタイルを保っていれば、新しいものを取り入れて個性化して良いというのも特徴です。サンバ調、ロック調などさまざまな踊りがチームごとに工夫されています。

2023年の開催期間は、2023年8月9日(水)~8月12日(土)が予定されています。

まとめ

以上、ランキング上位の夏祭りを概観しましたが、編み笠が使用されるお祭りが多かったことが印象的でした。暑い夏をしのぐには絶好のアイテムなのかもしれませんね。また、お祭りの始まった理由は、無病息災を願うことや豊作を願うこと、商業の発展を意図するものなどさまざまですが、これまでも地元の人々の努力によって継承され、これからも続いていくのでしょう。

今年の夏は暑すぎて外出もおっくうになりますが、お祭りと聞くとうきうきした気分になってきます。夏祭りは、暑さを避けて夜にスペクタクルを見せるもの、大人数で踊って暑さを吹き飛ばそうというもの、どちらも夏の風に吹かれて非日常を楽しむ貴重な機会です。コロナ禍を経てようやく例年の形式が戻ってきたところですので、今年はぜひ参加したいものです。

この記事を書いた人
福まる

大学で日本音楽史と民族音楽学の非常勤講師をしています。最近、地元の資料館で古文書整理員を始めました。お箏と地歌三味線を少し弾きます。記事を書いて、邦楽の世界をもっとオープンにするお手伝いをしたいと思っています。

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