長唄の傑作を名解説で聞くー紀尾井たっぷり名曲6「二人椀久」「鷺娘」

紀尾井たっぷり名曲6 長唄おすすめ紹介
紀尾井たっぷり名曲6 長唄

紀尾井小ホールでは、長唄の名作2曲を豪華メンバーで上演します。丁寧な解説付きで、初めての人も長唄歴の長い人もじっくり楽しめる公演になるでしょう。

紀尾井たっぷり名曲

紀尾井たっぷり名曲シリーズは、これまで長唄「勧進帳」、清元節「須磨の写絵」などの名曲を、実力派の演奏者が出演して上演してきました。第6回目となる今回は、長唄の名曲が2曲上演されます。

長唄とは、歌舞伎の伴奏音楽として江戸時代に発達した音楽で、現在は、歌舞伎だけではなくホールで音楽のみの演奏もよく行われています。
唄と三味線に分かれて数名ずつで演奏され、それぞれの代表者は立唄、立三味線と呼ばれます。囃子として小鼓・大鼓・太鼓・笛が加わり、音楽を盛り立てます。

演奏者&解説者紹介

杵屋東成(きねやとうせい)&杵屋勝禄(きねやかつろく)

お二人は長唄界で伝統ある杵勝会の幹部を務めています。初代杵屋勝禄の双子のご子息で、今回は、東成氏が立唄、勝禄氏が立三味線を担当します。その他、唄方4名、三味線4名、囃子は藤舎呂英社中の出演予定です。

お話:児玉竜一

解説は、早稲田大学文学学術院の児玉竜一教授です。歌舞伎のあらすじはややこしいものが多いですが、名曲の背景や聴きどころを解きほぐしてくださるでしょう。

演奏曲目

二人椀久

安永3年(1774)に初演された演目「其面影二人椀久」の一場面で、傑作といわれる作品の一つです。大坂の商人である椀久は遊女の松山と親しくなりますが、義理を立てて去ってしまた松山への想いがつのって狂乱の場となります。

鷺娘

宝暦12年(1762)に初演された変化舞踊「柳雛諸鳥囀」で、こちらも長唄作品の傑作の一つです。鷺の精が白無垢の娘姿で登場し、恋にまつわるエピソードをいろいろと踊り分けていきます。衣装を引き抜いて着替えていく舞踊は今回はありませんが、その音楽も表情に富みます。

公演情報

紀尾井たっぷり名曲6 長唄
日時:2023年4月15日(土)14時開演
会場:紀尾井小ホール(東京都千代田区)

チケット料金

全席指定(税込・手数料別)
一般 4,400円
U29 2,200円
チケット取り扱い:紀尾井ホールウェブチケット及びチケットぴあ
*詳しくは公演ホームページをご覧ください。
https://kioihall.jp/20230415s1400.html

この記事を書いた人
福まる

大学で日本音楽史と民族音楽学の非常勤講師をしています。最近、地元の資料館で古文書整理員を始めました。お箏と地歌三味線を少し弾きます。記事を書いて、邦楽の世界をもっとオープンにするお手伝いをしたいと思っています。

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