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箏、三味線、尺八といった和楽器を演奏する奏者同士が出会って会話をする際、必ずと言っていいほど出てくる話題として
「和楽器をやり始めたきっかけは?いつからやってるの?」
なんていうものがあります。
筆者自身も、和楽器音楽の交流会などの場で、プロ・アマチュア問わずこれまで数百人を超える人とこの話題で話をしたと思います。
もちろん全員分を事細かに覚えているわけではないですが、本記事ではその中から「和楽器をどうやって始めたか」のよくあるパターンをご紹介していきます。これから始めてみようという方のご参考になれば幸いです。
“そういう家柄”だから
まずは、親が和楽器の演奏家や指導者だから、家元として代々やってきたから…というパターン。
和楽器をやっていない一般人と会話をした際に
「そういう家柄なんですか?」
と聞かれることの多いことこの上なし!!(演奏者の皆さん、あるあるネタじゃないですか…?・笑)
いまだに一般人から見たイメージとして、「限られた一部の家系の人がやる特別な楽器」と思われることが多いようです。
もちろんこのパターンに当てはまり、活躍していらっしゃる方もいますが、全体から見るとごく一部です。
子供の頃の習い事としてやり始めた
近所に箏や三味線、尺八の教室があって、小さい頃から習いに行っていた…というパターン。
「芸事は6歳の6月6日から始めると上達する」という昔からの慣わしがあり、この日は「楽器の日」と制定されています。
また、東京邦楽器商組合(現在の東京邦楽器商工業協同組合)が定めた「邦楽の日」でもあります。
その理由もあり、また、小学校入学のタイミングということもあり、子供の頃から習っていた方に聞くと「6歳から」と答えた方が多かったです。
最近は学校の授業でも和楽器が取り入れられたり、子供向けの和楽器教室や和楽器でリトミックをするなど、子供たちが和楽器に触れるきっかけが増えているので、このパターンで始める方が今後は増えてくるのかもしれません(増えてくれることを切に望みます!)。
中学・高校の部活でやり始めた
中学・高校の部活でやり始めたというパターンは結構多いです。
特に箏に関しては「箏曲部(そうきょくぶ)」という箏の演奏をする部活がある学校がいくつかあり、箏曲部に入って箏を始めた…という声をよく聞きます。
特に近年では、2012年から連載を開始した「この音とまれ!」という、高校の箏曲部を題材にした漫画(著者:アミュー)がヒットし、この作品の影響を受けて入部した、なんていう話も聞きます。
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中学・高校でやっていた人は、①そのまま大学生になってもサークルや教室で続けるパターン と、②一旦辞めて社会人になってから復活するパターンがありますが、筆者の周りでは後者の方が多いです。
箏曲部ではコンクールに出場するところも多く、活動がなかなかハードです。
全力を出し切って燃え尽きてしまった… ので、大学では別のサークルに入った。でも社会人になって、ふと楽しかったことを思い出してまたやり始める…というエピソードが多いのは、箏という楽器がそれだけ魅力的なものだったからなのでしょう。
大学のサークルでやり始めた
大学のサークルからというパターンも多いです。
全国各地の大学には和楽器を扱うサークルがあります。箏の演奏をする「箏曲部」、その他尺八や和太鼓、長唄など単独の楽器やジャンルを扱うサークルもありますが、「邦楽部」「三曲部」といったような名前のサークルが多いです(〜サークル、〜研究会といった名称も含む)。
邦楽部や三曲部は箏曲部などと違って、一種類の楽器だけでなく主に箏、三味線、尺八で合奏をするサークルです。場合によっては篠笛や雅楽楽器、二胡などがあるサークルも。
演奏する楽曲も、楽器編成のバリエーションが多いため、独奏曲から大合奏編成の曲まで様々なものがあります。
邦楽部や三曲部は高校までになかったところが多いので、新しいことや人とは違うことを始めてみようと思ったり、
音楽を始めてみたいけど吹奏楽部や軽音楽部は経験者ばかりだからちょっと…… という理由で入部することも多いです。
大学生は自由に使える時間が多く、サークルにどっぷりとハマりこんで箏や三味線、尺八漬けの学生生活を送ったという話もよく聞きますね。
そのまま社会人になって趣味で続けたり、中にはプロになるような熱心な奏者もちらほら。
大人になってからやり始めた
大人になって、働き始めてから和楽器に出会ったという方。
社会人になると一気に忙しくなり時間の使い方が難しく、例としてはあまり多くないのですが、たまにいらっしゃるパターンです。
各地のカルチャーセンターの講座を受講したり、近所の和楽器教室を探したりして、仕事がお休みの日など空き時間に通われています。
また、YouTubeなどの動画やDVD教材を見ながら独学で始めるというやり方も、忙しい時間の合間を縫って取り組みたい方の間で広まっています。
なぜ大人になって始めようと思ったのか?その理由ですが、
・人生の節目(就職、引っ越し、子供が独立した、定年退職など)で新しい趣味が欲しかったから
・子供に習わせるのと同時に自分も習い始めた
・友達に誘われて…
・テレビなどで観たカッコいい和楽器奏者に憧れて…
と、人によって人生が様々であるぶん、様々な話を聞きます。
(参考) 自分に合った和楽器教室を探すには…
全国の和楽器教室を探す
地域行事でやり始めた
お祭りなど、地域の伝統行事をきっかけに和楽器を始めたパターン。
この例で多いのが、篠笛や鳴り物、和太鼓といった祭りで使われる楽器や民謡です。
幼い頃から身近なところで耳にしている音色ですから「◯◯の頃から和楽器をやり始めた!」という特別な意識はなく、生活の中に当たり前の存在としてあったという意識の方が強いでしょう。
和楽器に対する抵抗感や敷居の高さをあまり感じないためか、
・お囃子の笛を吹いていたけれど、同じ和楽器の箏に興味を持った。
・和太鼓を叩いていたけれど、三味線も始めるようになった。
など、他の種類の和楽器にも手を伸ばすという話もよく聞きます。
さいごに 〜どのタイミングで始めるのが良い?
このように、和楽器を始めるタイミングやきっかけは人それぞれ。
ここに書ききれないほど、奏者の数だけパターンがあります。
和楽器を始めるのに、早すぎる!または 遅すぎる!なんていうことはありません。
やりたい!と思ったときが、始めるタイミングです。
ほうがくのわは、社会人向けの和楽器サークルとしての機能も持っているため、様々な人と交流しながら和楽器を続けたい方にはこちらもおすすめです。みんなで和楽器を楽しみましょう!
(参考) 社会人向け和楽器サークルをお探しの方へ