「地方銀行×邦楽」の新しい挑戦 〜邦楽イベントの可能性と地方銀行のこれから〜

インタビュー

Part3 地方銀行の新たな試み

イ:この場所が、新しい形の銀行だと思うんですが、今後目指していく銀行の姿や新しい銀行の在り方について 教えていただけますか?

渡辺さん:この場所は、パブリックスペースが6割を占めていまして。かつての百貨店があった場所でありますから、当時感じていたワクワクやドキドキを大切にしたいんです。
ここは、その代わりとなるような場所として建てられました。だからこそ、ここでの様々な出会いを促したり、新たな活動をここからのスタートできたり。そのきっかけ作りの場所になればいいと思っています。
さらに、文化や芸術の発信を行い、地域のために何かを生み出していきたいとも考えています。

イ:なるほど。きっかけ、出発点としての場所、ですね。

渡辺さん:はい。賑わいづくりや町の発展など。子どもに文化芸術を知ってもらう機会など、様々なことを提供できればいいと思います。

イ:そうですね。本当にこの場所は、いい意味で銀行らしくないですもんね。ちなみに、年代も関わりなく集まれる拠点として、お考えですか?

渡辺さん:そうですね。様々なイベントを通して、みなさんの拠点となれるような場所にしていきたいと思っています。

イ:イベントについては、他の方とのコラボが多いんですか?

渡辺さん:両方ありますね。阿波銀行が主催のこともありますし、もちろん、地域の方とコラボすることもあります。

イ:個人的なことで申し訳ないんですけど。(笑) 銀行の業務に関係しなくても、ここへ来て利用してもいいんですか?(※7)

※7 阿波銀行本店営業部では、電源付きの作業机や小さなライブラリースペースもある。

渡辺さん:もちろんです。どうぞ来てください。学生さんが来られることもあったんです。コロナの影響で今は難しいこともありますが。

前田さん:学生さんだけでなく、大人の方も来られますよ。気軽に来てくださいね。

阿波銀行本店営業部 建物内部の様子

Part4 邦楽の可能性

イ:話を変えますね。音楽以外で集客力があるイベントは何ですか?

渡辺さん:やはりお子様向けのイベントですかね。工作や遊びの要素が入っているものなど。

前田さん:オープンイベントの恐竜展なども反響は大きかったですね。

渡辺さん:そうですね。それに著名人の方の入場無料イベントも好評です。

前田さん:お子様向けのイベントでは、邦楽と何かできればいいとは思っています。ピアノなどの教室はすぐ近くにあって、きっかけは多いです。
でも、お箏はそのきっかけが少ないので、そのきっかけとしてこの場所に来ていただける人が増えれば。ゆくゆくはそこから演奏家や趣味としても楽しむ方が出ていけば。
それこそいいきっかけとして、この場所が働くのではないかと思います。

イ:人がつながり、一つの出発点としてこの場所が大きな役割を果たすかもしれませんね。

イ:ここからは、個人的なお話で聴かせていただければ助かるのですが。ズバリ、邦楽をやってみたくなりましたか?(笑)

前田さん:私、やってみようか、とか言ってました。(笑)

渡辺さん:そうでしたね。(笑)

前田さん:来られていたスタッフの方々が、すごい褒めていただいて。ものすごく嬉しくて。(笑) やってみようかな、って言ってました。センスとかもあるとは思うんですけど。

イ:ピアノなんかとは、母数がちがいますから。競技人口が少ないからこそ、やれば上を目指せるようになりますよ。ちなみに、邦楽をやるとすれば、何かハードルになりそうなものはありますか?

前田さん:仕事があることですね。

渡辺さん:帰ったら家のこともあるので。もう少し落ち着いてからかな、とかは考えますね。

イ:銀行の部活でしてもいいかもしれませんね!

前田さん:そこまでできるかどうか…。

イ:いえ、そこまでできなくても、少しでもできれば教えられますよ! 男性も大歓迎ですし。そういえば、和楽器は女性のイメージが強いですか?

前田さん:お箏は女性のイメージですね。着物を着ているような。

イ:尺八だとどうですか?

前田さん:それは男性ですね。

イ:なるほど。じゃあ三味線は…?

渡辺さん:それは女性ですかね。

イ:そういえば、知らないと勝手に抱いてしまうイメージはあるかもしれませんね。

渡辺さん:あとは場所が困りますね。家でお箏は…ちょっと。(笑)

イ:確かに、家にずっとお箏があれば…ですよね。(笑)

渡辺さん:そうですね。(笑) 練習場所が困りそうです。

イ:なるほど。逆に練習できる場所があればできるかもしれませんね。では、金銭面ではどうでしょうか?

前田さん:いくらくらいのものかわかりませんが。ピアノなんかは年齢によって月謝も変わりますけど。月3000〜4000円くらいで始められるとありがたいですね。できれば週1回くらいで。レベルが上がればそれに応じて金額も上がるという感じですかね。

渡辺さん:先生がマンツーマンでついてもらえるようになれば、ですかね。

イ:なるほど。ということはイメージとしては、何人かでするイメージですか?

渡辺さん:いきなり1対1は…。

前田さん:素人であれば3人くらいいて個別に見てもらえるような。

渡辺さん:一人で合わせるよりかは合わせられる方が。趣味でできる感じで。

前田さん:集まってみんなで話ができるのも楽しいですよね。

イ:そうですね。今日は、個人的な話から地方銀行の今後まで、様々な話題でお話しいただき、ありがとうございました。何やら、体験できるようにお箏も持ってきているようなので。(笑) よければ、少しお付き合いください。(笑)

最後にお二人から

銀行とパブリックスペースが融合している店舗は国内外でも稀だと思います。銀行に用がない方でも気軽に来ていただければ、と思います。町とも連携していける場所だと思うので、もっとみなさんでこの場所の使い方を広げていければ、と思います。私たちもそのお手伝いをさせていただければ、と思います。

ということで、今回は、阿波銀行本店営業部のお二人にインタビューさせていただきました。
本当にざっくばらんにお話いただきました。阿波銀行さんが目指す、“新しい銀行”とわじっくの目指す“新しい邦楽”。とても有意義な時間であったと思います。今後のさらなる発展を目指し、ワクワクして待っていただければと思います。協力してくださった、阿波銀行本店営業部のお二人、関係者の皆様、どうもありがとうございました。

この記事を書いた人
じーも

母が箏を教えていることもあり、小さな頃から箏の音色を聞きながら育つ。
まんまと母の策略にはまり、小学校高学年から尺八を始めることに。初めは全く鳴らずに苦しんだが、少しずつ魅力を感じ始める。(続きはメンバーページをご覧ください)

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