「地方銀行×邦楽」の新しい挑戦 〜邦楽イベントの可能性と地方銀行のこれから〜

インタビュー

2021年2月20日 土曜日。13:00からと15:00からの2回に分け、和楽器でのミニコンサートと体験会が実施されました。

場所は、徳島にある阿波銀行本店営業部。そう、銀行なのです。
口座の開設や資金相談など、いわゆる金融の窓口として知られている、あの“銀行”。インターネットが普及し、銀行としても新たな在り方を模索している最中です。

私たちWagicも、邦楽の新しい在り方を模索しています。そんな両者がコラボをすることで、お互いにどんな影響があるのか。さらに今回のイベントは、新型コロナ対策のため、事前予約制で通常よりも限られた条件下で行われました。
その中でも見えた可能性についても、実際にイベントを担当していただいたお二人にインタビューをして、探っていきました。

■インタビューは2021年3月5日に実施
渡辺さん:阿波銀行本店営業部
前田さん:阿波銀行本店営業部
イ:インタビュアー(Wagicメンバー:藤本玲、じーも)

Part1 今回の邦楽イベントを振り返って

イ:今日はよろしくお願いします。とにもかくにも、まずは先日、ありがとうございました。

渡辺さん&前田さん:ありがとうございました。

イ:初めに、なんですが。来られた方の反響や、関係者としてイベントを終えての感想を教えてもらってもいいですか?

前田さん:事前の募集で、通常なら 50〜100名集められるところを、新型コロナ対策として20名という条件の中で行いました(※1)。
その中で、募集枠以上の申し込みがありました。仕事がお休みで立ち寄られた方も、聴きたいという方がいらっしゃいました(※2)。
残念ながら、予約制だったので会場では聴けなかったものの、書道展などを見ながら音楽を聴けてよかった、との声もありました(※3)。
さまざまなセミナーを催しますが、やはり満席になるのは音楽の力だと感じました。

※1 1回のミニコンサート+体験で20名。この1日で約40名の方が和楽器に触れることができた。
※2 阿波銀行本店営業部は、土日も開放している。
※3 同日、別のフロアでは書道展を開催中であった。吹き抜け構造のため、別フロアにも音は響いていた。

イ:ちょうど書道展で、雰囲気も合いましたね。

渡辺さん:そうですね。書道展の主催者の方も非常に喜んでいただいていましたね。耳に入ってくる和の音が心地よかったみたいですね。
特に音楽は癒しの力があると思うので、書道と箏の音色などはマッチしていたと思います。

イ:それはよかったです。ちなみに、音楽のイベントは今までにはどういったものが多かったのでしょうか?

渡辺さん:ピアノやバイオリン、ジャズなどですね。邦楽というジャンルは過去に1度だけですね。
ただピアノやバイオリンなどは、すぐには楽器に触れられないんですよね。でも、和楽器は子どもから高齢まで、気軽に触れていただくことができていました。

イ:なるほど。ということは、これまでの音楽のイベントでは、やはり聴くことがメインだったのでしょうか?

渡辺さん:そうですね。これまでの音楽イベントは聴くのがメインになっていました。そういう意味では体験できたということは大きかったと思います。

Part2 邦楽と他ジャンルの違い

イ:そうだったんですね。では、以前邦楽でのイベントは一度あったということですが。今回、イベントに関わってみて、やる前と後で、何か邦楽の印象って変わったものはありましたか?

渡辺さん:そうですね。もっと伝統的な。いわゆる歴史のある曲というイメージでしたね。

前田さん:確かに、そうですね。

渡辺さん:それが、意外とPOPの曲でもお箏や尺八は合うんだな、と。イメージと違ったところはありましたね。

前田さん:そうですね。なんかお正月の楽器というイメージでした。

渡辺さん:確かに。でも、今回のイベントで聴いた曲など(※4)が合うのであれば年間を通して、楽しめるものなのかな、と感じました。

※4 イベントでは、古典から J-POP、琵琶での祇園精舎など幅広く扱った。

前田さん:体験も、意外とド素人だったとしても、簡単なもの(※5)でも弾けたことがうれしかったですね。教えてくれるスタッフの方も褒め上手だったですし。(笑)

※5 体験はお箏のみ。さくらさくらを演奏体験。

渡辺さん:そうそう。(笑) 褒められながら、ついつい乗って演奏してましたね。

前田さん:ピアノやギターはなかなか曲を演奏まですることが難しいですからね。

渡辺さん:そういえば、子どもさんも楽しんでましたね。中学校になったらやってみたい、とも言ってました。

前田さん:それと、別フロアでの尺八の演奏もおもしろかったです。(※6)レパートリーも豊富で。

※6 お箏の体験中、尺八はジブリや故郷などの聞いた曲をピックアップして、聴きたい曲を選んでもらってその場で演奏するという形式で、聴いてもらっていた。

渡辺さん:そうですね。なんだかストリート的な感じで。あんなのもできるんだ、と思いました。それに、どこでも場所を選ばずにできるのはいいですね。

 

イ:今までのお話で、洋楽やジャズなどのイベントもあったと思いますが。それらと邦楽のちがいとか、感じるものはありますか?
そもそも楽器を見たことがないとかですかね?

前田さん:そうですね。見る機会は少ないかもしれませんね。

渡辺さん:本格的には演奏を見たことがないかもしれませんね。演奏も弾くだけかと思っていたら、左手も使っていましたし。ピアノは見たことがあるのでなんとなくでもイメージできますが。

前田さん:そうですね。尺八なんかも、言葉として聞いたり資料として見たことがある程度でした。

渡辺さん:それにピアノやバイオリンは一人で成立する場合もありますが、今回聴いたようなみなさんで様々な音を重ねて演奏することは、いいなと感じましたね。
そういえば、ピアノやバイオリンはすでに弾ける人が周り にいるので、「弾いてみますか?」と聞かれて、「いや弾けません。」とすぐに言ってしまいそうです。

イ:なるほど。イメージができているからこそ、周りを気にしちゃう、みたいな感じですね。

渡辺さん:そうです。その点、和楽器は、みんなが初心者なので。

前田さん:そうですね。だから、ちょっとの気持ちでやってみようか、ってなります。

この記事を書いた人
じーも

母が箏を教えていることもあり、小さな頃から箏の音色を聞きながら育つ。
まんまと母の策略にはまり、小学校高学年から尺八を始めることに。初めは全く鳴らずに苦しんだが、少しずつ魅力を感じ始める。(続きはメンバーページをご覧ください)

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